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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 研究開発推進部 産学連携

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    供用施設を利用するには

    ペレトロン年代測定装置
    概要
    加速器を組み合わせた質量分析,すなわち加速器質量分析(Accelerator Mass Spectrometry: AMS)およびAMSを基礎とした年代測定を行います.加速器はペレットチェーンを使用した最大5 MV(500万ボルト)のタンデム加速器です.本装置の測定同位体比の測定レンジは10-16~10-12であり超高感度分析が可能です.現在測定可能な同位体は炭素-14,ベリリウム-10,アルミニウム-26,ヨウ素-129の4種類です.
    用途
    C-14,Be-10,Al-26及びI-129分析
    性能
    炭素同位体比測定レンジ:10-16~10-12
    ベリリウム同位体比測定レンジ:10-15~10-11
    アルミニウム同位体比測定レンジ:10-15~10-11
    ヨウ素同位体比測定レンジ:10-14~10-11
    運転開始年・月
    平成10年10月
    放射性炭素年代測定はその同位体比測定レンジより現代から約5万年前の年代測定が可能です.測定年代の精度については,炭素-14年代が1.2万年の場合を例にとると±70年程度*になります.支給いただく試料は,木片,泥,貝,地下水などの炭素を含むもので,当施設の前処理設備で洗浄,二酸化炭素ガスの抽出の後,グラファイトに調製して,AMS測定を行います.必要なグラファイト量は1 mg弱であり,これに必要な元の試料の量としては,例えば木片ならば代表的には5 mm角程度ですが,試料状態により大きく異なりますのでお問い合わせください.利用例としては,地層の堆積年代の測定,断層活動や火山活動の履歴の測定,考古学試料の年代測定,環境中の同位体濃度の測定などがあります.
    ベリリウム-10やアルミニウム-26の測定は,露出年代測定を元にした地形の数十万年オーダーの隆起・侵食等,また地球環境,例えば太陽活動による宇宙線の強度の変遷を調べる研究などに用いられます.元となる試料は,代表的には岩石,堆積物などです.ヨウ素-129の測定は、炭素-14と同様に地下水の滞留年代の測定等が可能であり、炭素-14よりも古い年代測定が可能です。元となる試料は地下水や土壌などです。これら3つの同位体について、試料の前処理は,当施設では受け入れておらず,測定のみ行います.

    *最近1年間の測定結果のばらつき(1標準偏差)です.
    ■ペレトロン年代測定装置配置図
    ■ペレトロン年代測定棟の設備
    No. 設備・装置の種類 装置の概要
    1 ペレトロン年代測定装置 14C/12C比,13C/12C比,10Be/9Be比,26Al/27Al比,129I/127I比を測定
    2 安定同位体比質量分析装置 13C/12C比を測定
    3 元素分析装置 土壌試料中の炭素量を測定
    4 二酸化炭素精製用ガラスライン 二酸化炭素ガスから水蒸気や窒素等の不純物を取り除く精製ライン
    5 グラファイト化用電気炉 精製した二酸化炭素ガスと鉄触媒,水素ガスを加熱し,二酸化炭素を水素還元してグラファイト化する電気炉
    お問い合わせ先
    東濃地科学センター
    年代測定技術開発グループ
    TEL : 0572-53-0211 (代)