■福島環境回復のためのSPring-8利用研究 |
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福島環境回復を目指して、土壌等に含まれた放射性セシウムの脱離機構解明と脱離法の開発研究、セシウム高選択性高分子吸着剤の設計及び開発、廃棄物減容化のための放射性物質の環境動態研究、重元素金属を含む化合物の構造解析等を行います。また、原子力分野への応用のため、放射光利用分析手法の開発を含めた放射光ビームラインの高度化及び要素技術開発を行います。
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■アクチノイドを認識する新しい化合物の開発研究 |
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特定のアクチノイドやランタノイドを選択的に識別する有機化合物について、その構造や反応ダイナミクスを測定・解析することにより、そのイオン認識メカニズムを明らかにする研究を行っています。また、その知見をもとに特定の金属イオンを識別できる新しい化合物の設計・合成を行い、使用済核燃料の処分やレアメタルのリサイクルにおける新しい金属イオン分離法の開発に役立てています。 |
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■ガラス固化処理の高度化に関する研究 |
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使用済み燃料の再処理から発生する高レベル放射性廃液は、ガラス固化することで安定化処理されます。また、低レベル廃棄物についても、ガラス固化処理される計画があり、研究開発が進んでいます。ガラス中において、核分裂生成物などの着目元素が、どのような化学状態にあり、どのように振舞っているかを、SPring-8を利用して調べることで、ガラス固化処理技術の高度化に貢献します。 |
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■反応中の触媒構造の研究 |
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反応中の触媒自身の構造を正確に観測することで、触媒反応機構の解明や新規触媒開発へのフィードバックが可能になります。「その場」観測機能を備えたX線吸収分光測定を行うことで、元素選択的に構造解析を実施し、反応中の真の触媒構造を明らかにすることができます。 |
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■κ型回折計を用いた構造物性研究 |
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κ型回折計は試料回りの自由度が高く、多くの観察条件に対して適用可能です。表面回折や二体分布関数測定を通じて、電池材料や誘電材料などの機能性物質の構造を明らかにすることができます。 |
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■表面物理化学の研究 |
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高感度、高時間分解能かつ高精度な実時間光電子分光によって、固体材料表面や表面と気体原子・分子の化学反応をその場観察し、環境プロセス、ナノ加工、触媒やエネルギー変換など、材料合成や物質機能に関わる表面界面諸現象を物理化学の視点から研究します。 |
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■電子構造・磁性の研究 |
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希土類、遷移金属、ウラン・アクチノイドなどの強相関電子系物質の電子構造、電子スピン状態、化学結合などを研究しています。磁性や超伝導の発現機構の解明や各種機能性材料の解析・評価から、新機能性材料の創製に資する情報を提供します。 |
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■材料中の残留応力・ひずみ測定 |
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様々な製作・加工過程や使用環境下で材料中に生じる応力・歪みを測定・解析することにより、材料の健全性評価や高品位材料開発の指針作りに役立てています。 |
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■放射光の利用技術の開発 |
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SPring-8の性能を最大限に活用するため、専用のビームラインの高度化、要素技術の開発を行います。 |