施設利用

供用施設を利用するには

タンデム加速器
概要
10MeV~1GeVの重イオン加速器として、世界有数の施設
用途
重イオンによる核物理、核化学、物性物理等の研究及び核データの整備等
性能
最高加速電圧18MV、加速イオン種:
陽子からビスマスまで約40種
運転開始年・月
タンデム加速器   昭和57年9月
■低温照射チェンバー
物性関連の研究ではしばしば低温状態で重イオンを照射することにより物質の熱による影響をなくし、イオンのみにより生ずる物質内の状態変化を観察する必要があります。このため、冷媒により試料を低温に保持する機構を持つ照射チェンバーを設置しています。主に超伝導体の研究に使用しています。
■オンライン質量分析装置
ウラン陽子誘起核分裂などの核反応で生成する短寿命核種を高分解能で質量分離する装置です。主に壊変核分光によって新核種の探索や原子核構造の研究を進めています。
●4ヶ月間の連続的運転の後、2カ月の整備。これを1サイクルとし、年間2サイクルの運転です。
タンデム加速器は、静電界を利用してイオンを加速する装置の一つで、金属チェーンにより電荷を運び、高電圧を作り、負イオンを利用した2段階の加速で高いエネルギーを得るよことができる加速器です。
加速イオン種:負イオン源によりH, Li, B, C, N, O, F, Si, P, S, Cl, Sc, Fe, Co, Ni, Zn, Cu, Se, Br, Ge, Ru, Ag, Zr, I, Au等の加速が可能です。また、ターミナルに設置したECRイオン源によりNe, Ar, Kr, Xe及びH, N, Oイオンの加速が行えます。
加速電圧は7~18MVです。ビームのエネルギーについてはイオンの質量、原子番号、選択する電荷によって変わります。
■タンデム加速器施設の機器配置図
■タンデム加速器の設備
No. ビームライン 設備・装置の種類 装置の概要
1 L2 照射チェンバー スキャナー、スリット、ビュワー、ファラデーカップ
非放射化試料の物性利用を目的とした装置です。
L2ラインでの最大試料寸法(照射幅)は50mm。
2 L3 重イオンスペクトロメータ(ENMA) 重イオン核反応で生成される多様な核種のエネルギー、質量および電荷を精度良く測定する装置。
2台の偏向電磁石、1台の四極電磁石および3台の多極電磁石で構成されます。核種の収差を補正することにより、焦点面の各位置に反応生成核がそのエネルギー、質量、電荷に応じて収束するので、その位置をガスカウンターで測定します。
3 L4 照射チェンバー 均一に試料を照射することを目的としたスキャナー既設。照射量の見積もりを目的としたビームスリット、ファラデーカップ既設。照射中のビーム量モニターも可能。最大試料寸法(照射面)は10mmx10mm。固体試料のみ照射可。
4 H1 照射チェンバー 均一に試料を照射することを目的としたスキャナー既設。照射量の見積もりを目的としたビームスリット、ファラデーカップ既設。照射中のビーム量モニターも可能。最大試料寸法(照射面)は10mmx10mm。固体試料のみ照射可。
5 H2 重イオンビーム荷電変換測定装置 入射イオンビームからの電子の分光用0度電子分光装置。
非放射化試料の物性利用を目的とした装置です。
6 H3
BA
イオンビーム核分光装置 重イオンビームにより励起した原子核からの放出粒子、ガンマ線を測定する核分光実験装置。
許認可上、加速ビームと使用核種が限られています。
7 H3
BB
反跳型生成核分離器 重イオン反応で生成される原子核の質量を分離して測定する装置。
許認可上、加速ビームと使用核種が限られています。
8 R1 オンライン質量分析装置 核反応で生成した短寿命核種を高分解能で質量分離する装置で、分離する目的核種に合わせ、炭素、高融点金属、炭化ウランなどが標的として装着可能な、表面電離型と低圧アーク放電型のイオン源が用意してあります。
許認可上、使用核種が限られています。
9 R2 照射チェンバー 固体試料の単純照射が行えます。非密封の放射性物質の取り扱いが可能です。
許認可上、放射性物質の種類・量・使用方法が限られています。
10 R5 代理反応核分裂真空散乱槽 代理反応による断面積測定や、核分裂特性の測定に用いる真空散乱槽。
Np,Am,Cm,Bkなどの同位体を標的として利用可能。
重イオンビームによる材料改質
200MeVキセノンビームを照射したことにより部分的に硬化したFeCu合金(白い部分)
お問い合わせ先
研究基盤技術部
加速器管理課
TEL:029-282-5173