施設利用

供用施設を利用するには

常陽 高速実験炉(大洗地区)
概要
ナトリウム冷却ループ型高速実験炉
用途
原子炉用燃料・材料などの照射試験
性能
高速中性子束(最大) 4 × 1019m-2・s-1(≧0.1MeV)
定格熱出力 140MW
冷却材温度(入口/出口)350ºC/500ºC
運転開始年・月
昭和52年4月(初臨界)
平成15年7月(MK-III 炉心臨界)
利用研究の例
■多種多様な照射試験
オンラインでデータ計測や温度制御ができるオンライン照射装置と、データ計測はオフラインモニタで行うことになりますが、炉内の任意の位置で照射が可能なオフライン照射装置の使用により、多種多様な照射ができます。
■照射後試験施設
照射後試験施設には以下の3施設があり、様々な照射後試験を行うことができます。また、マイナーアクチノイド核種を含む燃料(MA燃料)を製作する施設設備も備えています。現在、原子力機構では、原子力施設の集約化・重点化に向けた取り組みを進めており、この一環として、今後の研究開発ニーズを考慮して、照射後試験機能を高度化した上でFMFに集約する方針です。
1 照射燃料集合体試験施設(FMF:Fuels Monitoring Facility)
FMFは「常陽」に隣接しており、照射後の照射装置及び試験用集合体の受け入れ・解体、非破壊検査及び試料調製を行います。
2 照射燃料試験施設(AGF:Alpha-Gamma Facility)
AGFは日本で最初に建設された密封型(α-γタイプ)ホットラボ施設であり、燃料の物性値等を測定します。また、MA燃料の製作装置も備えています。
3 照射材料試験施設(MMF:Materials Monitoring Facility)
MMFは材料の各種強度データや物性値を測定します。
●年間5サイクルの運転で1サイクルは約60日間です。
■常陽 MK-III 標準平衡炉心構成図(炉心構成の例)
常陽の設備
No. 設備・装置の種類 装置の概要
1 計装線付燃料集合体
(INTA)
オンライン計装
照射試料:燃料/材料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):3.6 × 1019m-2・s-1
冷却材温度:350℃(入口)/500℃(出口)
2 制御型材料照射装置
(MARICO)
オンライン計装/温度制御
照射試料:材料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):3.6 × 1019m-2・s-1
照射温度(実績):460~670℃
3 炉上部照射プラグリグ
(UPR)
オンライン計装/温度制御
照射試料:材料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):3.1 × 1014m-2・s-1
照射温度(実績):530~700℃
4 炉外材料照射装置
(EXIR)
オンライン計装/温度制御
照射試料:材料
原子炉容器外側を使用
最大高速中性子束(≧0.1MeV):2.6 × 1014m-2・s-1
5 照射燃料集合体
(A型、B型、C型 及びD型)
オフライン計装
照射試料:燃料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):4.0 × 1019m-2・s-1
冷却材温度:350℃(入口)/500℃(出口)
照射装置
6 炉心材料照射用反射体
(CMIR)
オフライン計装
照射試料:炉心材料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):4.0 × 1019m-2・s-1
照射温度(実績):400~700℃
断面図 ホルダーと一例
7 構造材料照射用反射体
(SMIR)
オフライン計装
照射試料:構造材料
最大高速中性子束(≧0.1MeV):1.6 × 1019m-2・s-1
照射温度(実績):400~800℃
断面図 ホルダーと一例
照射後試験施設
No. 設備・装置の種類 試験項目等
1 照射燃料集合体試験施設
(FMF)
・試験・検査
外観検査、寸法測定、X線CT検査、重量測定、ガンマスキャニング、ピンパンクチャ
・分析試験
光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察、質量分析
2 照射燃料試験施設
(AGF)
燃焼率測定、熱伝導率測定、質量分析、核種分析、MA燃料製作
3 照射材料試験施設
(MMF)
試験片精密加工、光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察、密度測定、引張試験、単軸クリープ試験、硬度測定、衝撃試験、ガス封入
高速炉燃料集合体照射後のX線CT像
集合体3次元画像
集合体横断面像