施設利用

供用施設を利用するには

JRR-3 中性子ビーム実験装置(東海地区)
■概要
原子炉から中性子をビーム状で取り出し利用する実験装置
用途
中性子散乱、中性子ラジオグラフィ、中性子誘起即発ガンマ線分析
性能
熱中性子導管端末
(炉室内):1.0 x 1013-2・s-1
(ビームホール内):1.2 x 1012-2・s-1
冷中性子導管端末:1.0 x 1012-2・s-1
運転開始年・月
昭和37年9月臨界
平成2年3月改造炉臨界
同年11月利用運転開始
平成22年3月東日本大震災に伴う新規制基準対応のため運転停止
令和3年2月運転再開
同年7月利用運転再開
■中性子散乱研究
物質による中性子の散乱の仕方を調べて、物質の微視的な結晶構造、磁気構造や格子振動、磁気励起、等の様子を解明し、異方的超伝導現象、生理機能、材料疲労寿命等の特性発現の起源を明らかにします。
■中性子ラジオグラフィ、中性子誘起即発ガンマ線分析
中性子ラジオグラフィによる二相流現象の可視化計測、即発ガンマ線による環境試料中の多元素定量等が可能となります。
●水平実験孔
中性子ビームを取り出す水平実験孔は、高速中性子やガンマ線を除去し、熱中性子や冷中性子だけを取り出せるように炉心に対して接線方向に取り付けられています。
●冷中性子源装置
水平実験孔の一つには、熱中性子を約-250ºCの液体水素中を通過させ、速度を遅くして冷中性子ビームとして取り出す冷中性子源装置が設置されています。
■施設平面図
■JRR-3の中性子ビーム実験装置
No. ビームボート 設備・装置の種類 装置の概要
1 1G 高分解能粉末中性子回折装置
(HRPD)
粉末試料や多結晶試料の結晶構造や磁気構造を調べるために用いる。
2 2G 偏極中性子三軸型分光器
(TAS-1)
単結晶の構造及び磁気構造の精密解析と内部励起現象の研究に用いる。
3 3G 精密中性子光学装置
(PNO)
完全結晶による精密中性子光学を活かして最高分解能の中性子超小角散乱実験に用いる。
4 7R 熱中性子ラジオグラフィ装置
(TNRF)
機械その他の内部構造と動作状況、植物や構造材における水の分布と移動、二相流現象の可視化計測等に用いる。
5 T1-4-1 即発ガンマ線分析装置
(PGA)
中性子ビームを試料に照射し誘起される即発ガンマ線を測定し、様々な試料中の元素組成を非破壊分析するために用いる。
6 T2-1 中性子応力測定装置
(RESA)
材料内部に発生する応力・ひずみ状態や集合組織などを非破壊で測定するために用いる。
7 T2-3-1 多目的単色熱中性子実験ポート(低角)
(MUSASI-L)
単色熱中性子ビームを利用して、物性研究、検出器デバイス研究開発などに用いる。
8 T2ー4 高分解能三軸型中性子分光器
(TAS-2)
極端条件下において、物質材料の結晶構造、磁気構造やその内部励起現象の研究に用いる。
9 C2-1 冷中性子三軸型分光器
(LTAS)
冷中性子を利用し、高エネルギー分解能で物質材料の結晶構造・磁気構造やその内部励起現象の研究に用いる。
10 C2-2 偏極中性子反射率計
(SUIREN)
基板上の薄膜や積層構造を持つ固体薄膜試料の表面・界面構造の研究に用いる。
11 C2-3-3-1 冷中性子ラジオグラフィ装置
(CNRF)
機械その他の内部構造と動作状況、植物や構造材における水の分布と移動、二相流現象の可視化計測等に用いる。
12 C2-3-3-2 パルス中性子機器開発装置
(CHOP)
チョッパーを用いて発生したパルス中性子によって、検出器やデバイスの開発に用いる。
13 C3-1-2-1 中性子光学システム評価装置
(NOP)
中性子光学システムの開発、および性能評価に用いる。
14 C3-2 中性子超小角散乱装置
(SANSーJ)
集光レンズや偏極素子を組み合わせ、高分子や磁性材料からの中性子小角散乱の測定に用いる。
冷中性子の長波長特性、高透過性を利用する中性子小角散乱実験で、超伝導材料のピン止め特性を観察することができます。
お問い合わせ先
研究基盤技術部
利用施設管理課 
TEL:029-282-5591